2011年3月6日日曜日

マリールイズさんの講演会-1.今のルワンダ、これからのルワンダ


2月26日、雪の積もる米沢で「マリールイズさんの講演会」がありました。



マリールイズさんは、ルワンダの人。

あの、痛ましいジェノサイドが起こった悲劇の国の人。

(ルワンダの歴史については、こちらをクリック→「Wikipedia:ルワンダ虐殺」)

そして、福島県で活動を行う「NPO法人 ルワンダの教育を考える会」の理事長。



正直、だから、その虐殺について、悲劇について、胸に痛いダークなお話になるのかと思っていました。


「皆さんは、ルワンダって聞いて、あ〜、あの、民族同士で大量虐殺のあった国だなって、多分、それしか思い浮かばないのではないでしょうか?」

…ぎく。その通りです…。

「確かに、それは、事実です。でも、世界はその事実のみを報道し、ルワンダ人は野蛮な国だと断定します。でも、そのジェノサイドが起ってしまった背景について、歴史について、皆さんはどれだけのことを知っていますか?

ツチ族とフツ族というのは、当時植民地支配をしていたベルギー人が、政治的意図をもって、もともと1つの民族だったルワンダ人を無理矢理分け隔てたということをどれだけの人が知っているでしょうか?」

…え????だって、新聞では、ツチ族とフツ族は全く別の民族で言葉も違ってて、肌の色も違うって、宗教も違うって書いてあったような…

「言葉も一緒、肌の色も殆ど一緒、鼻の高さがうんぬんという記述もありますが、そんなことは一切ありません。宗教はクリスチャンがほとんどです。ルワンダ人の私が言うんだから。」

…。じゃあ、なんで、あんな、同じルワンダ人同士、痛ましい大量虐殺が起ってしまったんだろう…。

「それは、これこそが悲しいことですが、当時のルワンダには外国からの煽動に打ち勝つまでの人格形成がなされていなかったからだと思います。すなわち、「いい教育」が行われていなかった。だからこそ、これからは、自分の頭で考えるベースをつくる「教育」、特に「基礎教育」が必要だと思います。そのために、私は生涯かけて活動していきます。」

そっか…。でも、でも、たとえ、今から教育の立て直しをしていったとしても、虐殺のトラウマ、憎しみからは、まだまだ抜けれないんじゃないかな…。

「そう。確かに、愛する者を罪なく殺された憎しみは、どうやっても、どうやっても、ぬぐいきれません。牢獄に入った戦犯者の妻たちは、お弁当を刑務所に持っていく度に夫に請い続けたそうです。『私はね、ここまで来るのに、被害者の妻たちからずっと責められてくるのよ!あんたは、本当に、何ていうことをしでかしてくれたの!!きちんと自供して罪をつぐなってくださいな』と。そして、同時に加害者の妻と被害者の妻同士でも話し合いがあったそうです。

もう、憎み合ってもしょうがない。憎みあっても、恨みあっても、涙しか流れない。そうじゃなく、一緒に子供たちを育てよう。これからのルワンダを育てようと。

そして、女性が立ち上がりました


実はルワンダでは、女性の社会進出割合が非常に高く、議会において48%以上を女性が占めていて、これは世界でトップなんですよ。これは、ルワンダ人女性として、とても誇りがもてることです。(参照:ルワンダ大使館

これまでの歴史に縛られるのではなく、これからの未来、子供たちを第一に考える社会や政治にしていこうって、植林したり、ポイ捨てを厳禁にしたり、ルワンダは今、一生懸命頑張って、立ち上がろうとしているんです。その事実も世界はみてほしいなって思っています。」

ちなみに、今のカガメ大統領は汚職対策に力を入れており、他のアフリカ諸国に比して、汚職の少なさ、治安の良さは特筆され、グッドガバナンスの模範国として世銀等からの評価も高い、とのことです。(参照:外務省:ルワンダ共和国)

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